読了 闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

闘うプログラマーを読了しました。2020 年読了本 6 冊目。

最初のまとめ

読み始めの動機

プロジェクト立ち上げに携わっているが、なかなかうまく回らず、自分のモチベーションを上げるため。

概要

Windows NT という OS を開発するためのプロジェクトに関するドキュメンタリー。実際に今現在(2020/04/25)もマイクロソフト社で働いているデヴィッド・カトラー氏が主人公で、 NT の開発に携わったマイクロソフト社員(以下マイクロソフティ)も実名で登場する。

Windows NT

この本では Windows NT という OS の開発プロジェクトの話だ。しかし、僕の年齢でも NT は触ったことがないので、軽く概要を調べた。

1994 年製で四半世紀前の OS だ。当時は Windows 95 や 98 といった 9x は家庭用という位置づけに対し、 NT は業務用といった位置づけだったらしい。昔の OS だから触ったことがないと思うかも知れないが、 Windows 2000 や XP, 最新 OS の 10 は NT の系譜とのことで、今まさに使っている人も多いだろう。当時の思想が未だに根付いているのは驚く。(昔の OS 名見ると OS たんを思い出すw)

感想

エンジニアというとエンジニアではない人から見ると、よくわからない人種と思われがちだったりする。実際は泥臭い作業をひたすらにしていることがほとんどた。エンジニアが開発の現場でどのように働いているのかを、エンジニアじゃない人が知るにはいい本かもしれない。

エンジニアにとっては、マイクロソフトという超大手でも苦難な道のりを経ていることを知るのは、モチベーションアップにつながるかもしれない。彼/彼女らの苦労に比べたら、今のプロジェクトは大したことがないと思える。

カトラー氏について思うところ

ゲイツ氏と直接話せる立ち位置のリーダー兼トップ開発者。プレイングマネージャーといったポジション名が一番近そう。強烈な人格で壁に穴を開けたり、怒っている妻を差し置いてスキーに行ったりと常人の感覚からはかけ離れている。

彼の強烈な人格は次の言葉にあらわれている。

品質は全員の信念でなければならない。~ 略 ~不完全なまま出荷したいというばかがいれば、くたばりやがれといってやる

品質が多少低くても問題ないといった感覚を持っている人は意外とエンジニアでも多い。そういう人に対して、かなりマイナスの感情を僕も持っているが、それでもくたばれとはとてもいえない。強烈だ。

また、チェックインの品質で、プログラマーの真価がわかるとも考えており、品質にこだわる人だと分かる。強烈ではあるが、見習うべき価値観だ。

天性のリーダーシップの才能を持っていて、にじみ出る自信と、自信を裏付ける高い技術力と率先垂範なところが現在のマイクロソフト社の成功を支えていると言っても過言ではないだろう。デスマーチの状態に陥っても、誰かに責任を押し付けることもなく、最前線で闘い続けていたカトラー氏は、メンバーにとってこれ以上頼りになる人はいないはずだ。

Google 社でもいわれていることで、優れたリーダーは「突撃!」と命令せず、「アハライ!(ついてこい)」と叫ぶ。カトラー氏はこれを体現しており、まさにリーダーの目指すべき理想像だと思う。(出典: How Google Works)

まとめ

物語の最後は無事に NT は出荷されたというメッセージで締めくくられる。その後のマイクロソフト社の成功はよく知られているところだ。

苦境に立たされても、信念を曲げずにプロジェクト成功のために働き続けるさまはまさに"闘い"だ。僕もあきらめずにプロジェクトの成功まで闘っていきたい。

闘うプログラマー