読了 Clean Agile 基本に立ち戻れ

Clean Agile 基本に立ち戻れを読了しました。2020 年読了本 40 冊目。

最初のまとめ

読み始めの動機

流行っていたので。

概要

アジャイルソフトウェア開発宣言を作成した一人である、 Robert C. Martin 氏によるアジャイルの基本が学べる本。

感想

アジャイルソフトウェア開発宣言が作成されたのはもう 20 年も前だ。

当時のソフトウェア開発での問題点を受けて、改善する宣言のため、当時の開発現場を知らないと深く理解することは難しいと思う。その点、どのような経緯で著者たちが集まり、アジャイルソフトウェア開発宣言が作成されたのかの伝記が最初にあるため、理解の一助になる

日本のソフトウェア開発現場は、アメリカの 10 年遅れと言われるので、日本で開発者歴が 10 年に満たない若い人におすすめと感じた。いまはだいぶ改善されたが、昔のソフトウェア開発は大変だったことがわかると思う。

基本的にアジャイルは小さいことをすばやくフィードバックを受けながら開発していくスタイルであることを強調している。本から引用。

アジャイルとは、小さなことをしている小さなプログラミングチームの小さな問題を扱う小さなアイデアである。

また、大規模アジャイルには否定的な立場を取っている。本から引用。

大規模アジャイルはどうなのか? 私はそんなものはないと思っている。

大規模な組織を小さなチームに分割することが前提であり、どう分割するかはアジャイルの守備範囲外であるとのこと。大規模な組織というのは現実的にあるし、対応するための大規模アジャイルとして SAFe や LeSS といったフレームワークがあるのも事実。

アジャイルはビジョンだし、スクラムはフレームワークなので、現実的に対応するためにいろいろな知識を組み合わせて、うまくやることが求められると感じた。

サスティナブルであることや、残業は意味がない、ベロシティは結果のフィードバックのためだけに使うと基本に忠実なアドバイスが多い。個人的には、そこまで忠実に現場でアジャイルが実践できるかというとかなり疑問が残る。

まとめ

アジャイルソフトウェア開発宣言が作成された歴史や、基本に立ち返ったアジャイルについて再学習したい方におすすめ。アジャイルで解決することと、それ以外の技術で解決することの切り分けをするための指針ももらえる。